均等法

均等法改定審議会の傍聴に参加して

★間接差別・限定列挙のまま建議に!
12月27日は、最後の男女雇用機会均等法改定の審議会でした。わずか、30分たらずで、従来の(案)通り、均等法を改定する最終案が承認されました。これを建議といいます。労働者側からは「間接差別基準は限定列挙でなく例示列挙にすべき」一方、使用者側から「間接差別概念の導入について懸念がある」との意見が示され、この意見も添付されました。
この意見書は建議と共に当分科会から、厚生労働大臣の代理である北井局長に手渡されました。この建議を受け、厚生労働省は法案骨子を作成、それを再度、当委員会にてはかり、次期通常国会へ関係法案を提出するというスケジュールです。

★今後の男女雇用機会均等対策について
「建議」の概要
☆男女双方に対する差別禁止

☆差別的取扱いを禁止する雇用ステージについて、配置における権限の付与・業務の配分が含まれることを明らかにし、「降格、雇用形態又は職種の変更、退職勧奨及び雇い止め」を追加した。(指針にて禁止の対象となる事例を明確化)

☆間接差別として、以下を対象とする
:募集・採用における身長・体重・体力要件
:コース別雇用管理制度における総合職の募集・採用における全国転勤要件
:昇進における転勤経験要件
☆妊娠・出産の不利益扱いを、解雇以外の不利益扱いも禁止とする
☆妊娠中・産後1年以内の解雇は、事業主が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明しないかぎり、無効とする

☆ポジティブ・アクションを行っている企業がその取り組み状況を外部に開示する際に、これを国が支援する
☆男性に対するセクシャルハラスメントも対象とする
☆セクシャルハラスメント対策を事業主の措置義務規定とする
☆セクシャルハラスメント及び母性健康管理措置について、調停及び企業名公表の対象とする
☆女性技術者が坑内の管理・監督業務等に従事することができるよう、妊産婦が行う坑内業務及び作業員を除き、規制緩和を行う

★Never Give upでがんばりましょう!

間接差別禁止の法制化をめざして、苦節、10年。今回、国連CEDAWの勧告に沿って、間接差別の概念が法律に入る事は一応評価できます。しかし、「指針」の雇用管理区分によって作られたコース別制度で長年苦しめられてきた私達は、間接差別の対象を3つのみとする限定列挙は、絶対に許せません。
 審議会傍聴に参加して、ほとほと、日本の経営者の国際的レベルの低さにがっかりしています。あるいは、分かっていて知らん顔なのでしょうか。何がグローバリゼーションなのでしょうか。目先の利益のみしか考えず、女性を消耗品としか見ない経営者の考え方は日本の発展を阻害します。

★間接差別の事例集をつくります!

今回の間接差別の限定列挙の3つの例も、実は、職場では、もはや古い上着となっています。 労働者側委員が言ったように、差別の形態はドンドン変化します。ますます男女差別が見えにくい、差別隠蔽の方へ経営者はもっていこうとしています。
 今では、職場は、コース別制度はなくなり、消されつつあります。三井物産は、すでにコース別制度を廃止し、女性のみ5年間の正社員制が実施され、今年は第1期生の最終年度を迎えます。
 野村證券は2年間のファイナンシャル・アドバイザーを募集、こうして、有期雇用の女性たちがあふれるほど生み出されます。私たちは、2月に開催予定の第3回院内集会にむけ、間接差別の事例集を作成します。WWNは、主にコース別の事例、パートや派遣の事例は、目下東京の方々で準備中です。
この事例集は国会議員にむけてのロビー活動に旺盛に使い、間接差別の限定列挙の不備を知らせます。
さらに、マスコミや労組など、国内各所でPRし、次に、それらを英訳した上で、CEDAW委員や、また、WWN有志で5月に訪問する、ウイーンやライプチヒ大学などの講演等、海外へも配信する予定です。コース別人事のリアルな職場の実態、昇進・昇格のポジティブ・アクション、そして、仕事と生活の調和を盛りこむために女性の働きすぎの実態、有期雇用の雇止め等、多くの実態をおよせ下さい。

越堂静子

PAGE TOP▲

現場からの声を均等法改定に

均等法改定審議会が、いよいよ、12月27日に最終日を迎えようとしています。 のこの日に審議会の意見がまとまれば、それが「建議」となり、来年、厚生労働委員会などの討議を経て、 通常国会に提出される予定です。

●均等法改定に関し審議会の問題点として、特に、「間接差別を省令で限定列挙」、 「雇用管理区分の規定振り」などがあげられます。

<WWNと元原告は、下記の3点を要望>
1)「間接差別禁止の明記」は女性差別撤廃条約批准国として国際的な責務です。


2)雇用管理区分は、コース別差別を容認するものです。是非とも削除してください。


3)間接差別の対象を省令で限定列挙するのは反対です。禁止の原則を明らかにし、  例示するにとどめ、個別に判断していくべきです。
12月16日の第56回審議会では、住友電工の元原告・西村さんと、白藤さんによる、「実効ある間接差別禁止を法改定に!」の文章を労働委員に読み あげてもらいたいと、届けました所、連合の吉宮さんと片岡さんがその内容を、審議 会の中で紹介。雇用管理区分の廃止を強調してくれました。 この経験をふまえ、12月27日の最終審議会にむけ、兼松の原告・本間節子さん、 岡谷鋼機の原告・藤沢真砂子さんの手紙を、労働側委員にとどけます。 そして、分科会報告がまとめられる際に、現場からの報告の内容について 「現場からの危惧と切実な要望があったことを記録にとどめて欲しい」と 要望しています。

 

2005年12月20日

労働政策審議会雇用均等分科会
労働側委員各位

岡谷鋼機女性差別裁判
原告 藤沢眞砂子

法改正で「雇用管理区分廃止」と「間接差別禁止」の実現を

 
 労働側委員の皆様の審議会でご活躍に感謝申し上げております。大詰めの今、一層のご奮闘により、実効ある均等法改正になりますようお願い申し上げます。また、見出しの件について、原告としての切なる願いを下記に訴えさせていただきますので、法改正に反映して頂きますよう心からお願い申し上げます。


 岡谷鋼機は1988年6月にコース別制度を導入しました。職務の評価、職務担当の見直しなど一切せずに、男性を総合職に、女性を事務職に、例外なく一律に振り分けました。賃金は、これまでの男女別年功序列賃金表の「一般職男子」を「総合職」、「一般職女子」を「事務職」と変えただけです。また提訴の2年後始めて女性総合職を1名、その後ほぼ1~2名女性総合職を採用していますが、男性事務職はゼロです。
 労働組合は長年にわたって会社に対して賃金差別是正を求め続けておりましたが、全く改善が見られなかったので、1995年に名古屋地裁へ提訴、現在は高裁段階で争っております。
 

  男性をA表、女性をB表とした年功序列賃金の秋田相互銀行賃金差別事件で、1975年4月に原告勝利判決が出ております。賃金差別は憲法、労働基準法違反として、男性に適用されているA表との差額を請求できる権利も認めました。その後更に女性差別撤廃条約批准、均等法施行と、時代は進歩してきたはずです。しかし、2004年に出された一審判決は「憲法は直接私人間に適用せず、1986年施行の均等法は配置・昇進は努力義務に過ぎない」として原告敗訴でした。当時均等法が募集・採用、配置・昇進を努力義務にとどめることに、私どもは大変危惧し、罰則付き禁止にして欲しいと運動しました。それを、「努力義務であっても、法制化するのだから前進である」とし努力義務にしたのです。1975年に勝訴で、同ケースで2004年が敗訴となったのは何故か。均等法が成立し、「判断のものさし」が「労基法」から「均等法」になったからではないかと考えざるを得ません。
 賃金差別であると訴えた裁判の冒頭で、会社は「男女別に採用した」と主張しました。採用区分(現在は雇用管理区分)を差別を正当化する手段として企業が使っている典型です。裁判所もこれを利用し、賃金差別でなく、採用差別としてものさしを労基法でなく均等法としたのです。コース別と裁判所が判断した男女の賃金差別事件はすべてこの点で敗訴しました。


 岡谷鋼機は来年から、事務職を3年の期間限定契約社員のみの採用としました。事務職は女性だけであり、間接差別であり、さらに時代に逆行する女性の若年定年制復活です。
 間接差別を法制化していただいても、素案のような限定列挙であれば、裁判ではそれ以外は差別でないと判断するのは明らかです。
 どうか再度ご検討下さいまして、下記2点を実現してくださいますようお願い致します。

1) 雇用管理区分は廃止する。


2)間接差別禁止を明記し、限定列挙でなく、「間接差別でない」ことは企業側の抗弁を必要とする。


以上

 

2005年12月

労働政策審議会雇用均等分科会
労働側委員各位殿

兼松男女差別賃金裁判原告
本間 節子

    兼松㈱では1985年の男女雇用機会均等法ができるまで、賃金は男女別年功序列賃金でした。学歴に関係なく男性であれば高い賃金テーブルが適用され、女性は低い賃金テーブルが適用されました。その格差は勤続年数を経るごとに大きくなり女性の賃金は27歳の男性の賃金を超えられませんでした。そうした中で女性たちは男女格差縮小の第一歩として22歳男女同一初任給の運動を進め、10年かけて勝ち取りました。
 1985年に均等法が施行されるということから、会社は男女別賃金からコース別賃金に変更するとして、男性の賃金テーブルを一般職賃金、女性の賃金テーブルを事務職賃金と呼び名をかえ仕事の実態や各個人にコースの希望を聞くこともなく、男女別からコース別賃金にしたのです。そして女性たちの力で勝ち取っていた22歳男女同一初任給までくずしたのです。


 兼松に働く6名の女性で兼松のコース別は男女差別賃金と1995年東京地裁に提訴しました。しかし、2003年の地裁判決では憲法の14条(法の下の平等、性差別の禁止)の主旨には反するが、募集・採用・配置・昇進を、改正前の均等法では努力義務にとどめていたことから公序に反しない。さらに、改正均等法では強行規定・禁止規定とされたが兼松の場合、一般職への転換制度が合理的であるから、男女差別とまでは認められないという判決で全面敗訴になってしまいました。
 会社は均等法にあわせて男女差別を見えにくくする制度をつぎつぎと導入してきています。男女別賃金からコース別賃金、更に能力評価といって女性の特に30代後半からの賃金を切り下げて男女格差を拡大させています。
均等法制定から20年になりますが、兼松はその間一般職として採用した男性が737名に対し女性は18名のみ、事務職には一人の男性も採用していません。しかし、このことは差別とはみなされないのです。
職場から男女差別賃金をなくすため覚悟してやっとの思いで裁判を起こしても、司法からは差別と認められないのです。地裁での敗訴から、会社はますます男女格差賃金を拡大してきています。職場から男女差別賃金を拡大させないため、改正均等法には抜け道をつくらない実効性のある均等法が是非とも必要です。改正均等法に雇用管理区分がのこり、間接差別の限定のみの禁止では、兼松の男女差別賃金裁判の結果は地裁判決からぬけられません。

 
労働側委員の方には今回の改正均等法に下記2点をなんとしてでも反映させていただきたく、よろしくお願い致します。
1.コース別差別を容認するものになっている雇用管理区分は削除すること。


2.間接差別禁止は対象を限定することなく禁止の原則を明らかにし、間接差別にあたらないものを個別に判断していく方式を採用すること

以上

2005年12月16日

労働政策審議会雇用均等分科会
労働側委員各位殿

実効ある間接差別禁止を法改正に!

住友電工男女賃金差別裁判
元原告 西村かつみ
同   白藤栄子

 労働側の委員の皆様の日頃のご検討に本当に感謝いたしております。ぜひ均等法改正に向けた最終的な論議の場で、元原告の気持ちを披露していただきたく、下記のとおり文章を作成しました。どうかお受けとめいただき、ご発言に反映いただけますようお願いいたします。
 私たちは1994年3月に、同期同学歴の男性と比べ配置、昇進の差があるとして均等法に基づき調停申請しました。「比較対象とする男性とは採用区分が異なる」ため比較できない、との一言で、調停の不開始決定が下されました。均等法は指針・雇用管理区分で、職種の違いの名のもとに、男女差別を隠蔽したコース別という間接差別を生み出し、私たちの差別是正になんら役に立つものではありませんでした。
このままでは承服はできない、後は裁判しかないと、同期同学歴の男性と比べ賃金格差は月額
24万円以上という賃金差別是正を求めて、1995年に会社と同時に国・労働省を相手に提訴に踏み切りました。2003年12月に大阪高裁で和解が成立するまで裁判闘争は、なんと10年間もかかりました。


  裁判の中で会社も国も、「コースが異なるから格差があるのは当然」と主張。司法もそれをあと押しし、2000年7月に出された一審の判決は、憲法も国際条約も無視したもので、私たちの全面敗訴でした。憲法14条の趣旨に反する差別があるとしながら、当時の社会意識では、公序良俗違反とはいえない。また採用区分さえ異なれば、会社は是正義務さえも問われない、というものでした。裁判においても、均等法の指針・雇用管理区分の枠組みは差別是正を阻害する役割を果たしました。

 
私たちはこの不当判決に対し、直ちに控訴し、また国際機関に訴える機会を待ちました。 
おりしも2003年8月に9年ぶりに、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)にて日本政府レポート審査があり、私たちはロビイングに出かけました。本会議で委員達から、「異なった雇用管理区分のカテゴリーを均等法の指針が許容しているのは問題である。雇用管理区分という比較の仕方は間接差別ではないか」などの質問や意見がでました。そして国連は日本政府に対し、間接差別を国内法に定義するように、指針の改正にまで踏込んだ内容の勧告を出しました。
そして、CEDAW勧告の趣旨を受けた形で、大阪高裁より一審の判決を覆す内容の和解勧告が出されたのです。その和解勧告には、「間接差別に付いても十分に配慮されなければならない」とされています。私たちは10年もかかって、やっと昇格が実現しました。本当に長い闘いでした。裁判をしなくても、男女差別が解決されるよう、国連と大阪高裁の勧告の趣旨を活かし、実質的に差別是正の力となる均等法改定のために、再度、私たちの願いをご検討ください。

1)「間接差別禁止の明記」は女性差別撤廃条約批准国として国際的な責務です。


2)雇用管理区分は、コース別差別を容認するものです。是非とも削除してください。


3)間接差別の対象を省令で限定列挙するのは反対です。禁止の原則を明らかにし、例示するにとどめ、個別に判断していくべきです。

以上

PAGE TOP▲

総選挙 政党アンケート

8/30の公示日を前に、WWNは新党もふくめ各政党へ向けて、下記のアンケートを8/29に事務局から、メールあるいはFAXにて配信しました。
郵政民営化ばかりを争点にするのでなく、真の男女平等をめぐって、目下、審議中の均等法改定にむけ、各政党がどう考えるのを問います。各政党の姿勢が判明するいい機会ですので、是非ご注目下さい!


<衆議院議員選挙に当たっての政党アンケート>

=男女雇用機会均等法・改定にむけてアンケートのお願い=

衆議院議員選挙で大変にお忙しいところを失礼いたします。
私たちは職場における男女平等を目指して活動しているワーキング・ウイメンズ・ネットワーク(WWN)というNGOです。
わが国は、2003年に国連・女性差別撤廃委員会から、間接差別に対する規制など男女平等政策の実施について勧告を受け、政府は、来年度に男女雇用機会均等法(以下均等法)を改定すべく、目下、労働政策審議会雇用均等分科会において審議が行なわれています。

本年7月27日には、同分科会において中間的な取りまとめ(以下中間報告)が公表されていますが、均等法で間接差別の禁止を規定するかどうかについても、労働側委員と使用者側委員の意見が真っ向から対立し、両論併記の内容となっています。

私たちは、均等法の改正において、間接差別の禁止などを実現し、真の男女平等を一歩でも前進させたいと切に願っています。つきましては来る衆議院総選挙を前に、均等法改正に関する各政党の立場について、アンケートを実施させていただくことに致しました。

アンケートの結果につきましては、マスコミ各社への送付やWWNのホームページでの掲載などによって公開させていただき、有権者の判断材料として提供することを予定致しております。
ご多忙な折に誠に申し訳ありませんが、何卒、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
締め切りは9月5日(月)とさせていただきます。下記のアンケートにご回答のうえ、下記アドレス宛にメールでお送り下さいますようお願い致します。
WWIN@my.email.ne.jp
 
2005年8月29日 ワーキング・ウイメンズ・ネットワーク  会長 正路怜子
大阪市中央区大手前1-5-6-403
06-6941-8700
http://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/
E-mail: WWIN@my.email.ne.jp

 _________________   記   _________________

1 貴党は、均等法において「間接差別の禁止」を規定することに賛成ですか、反対ですか?

●「間接差別の禁止」を規定することに 賛成  反対 その他(        )

2 現行の均等法の指針には、均等法違反の有無を「雇用管理区分(職種、資格、雇用形態、就業形態等の区分その他の労働者についての区分)」ごとに判断するという定めがあり、「雇用
管理区分」が異なる男女間においては、均等法違反を問うことが出来ないという結果をもたらしています。この指針における「雇用管理区分」の枠組みによって、事業主は「雇用管理区分」さえ
違えておけば、均等法違反を問われないことになり、コース別雇用管理や女性の非正規社員化による間接差別が温存されてきました。

指針におけるこのような「雇用管理区分」の枠組みは、国連女性差別撤廃委員会においても「間接差別の慣行と影響についての認識の不足」を示すものとして指摘され、その改正を勧告されています。指針の「雇用管理区分」の枠組みを廃止することについて、貴党のお考えをお示しください。

●貴党におきましては、均等法の指針から「雇用管理区分」という枠組みをはずすことについて
  賛成   反対  その他(              )
 

3 均等法において、事業主に対して暫定的特別措置(ポジテイブアクション)の実施を義務付けることについて、貴党のお考えをお示しください。

職場における男女平等を進めるにあたって、単に、男性と同等の機会を女性に与えるだけでは、ごくわずかの女性にしか変化をもたらさないことは、均等法20年の経過のなかで、すでに明らかになっています。それは、転勤や長時間労働など、従来、男性に求められてきた労働条件そのものが、女性の採用や昇進を制限する効果をもたらしていることが多いからです。
職場における男女平等を大きく前進させるためには、事実上の男女平等達成にむけた暫定的特別措置(ポジテイブアクション)の実施を事業主に義務付けることが必要であると、私たちは考えています。
事実上の男女平等達成にむけた暫定的特別措置(ポジテイブアクション)は、歴史的に形成された男性と女性の間の格差を、特別措置の実施によって是正することをめざすものです。
具体的には、採用条件の見直し、仕事配置や昇進条件の見直し、また、メンター制度の導入などでフォロー体制を整えるなど、企業の条件によって様々の措置が考えられます。
このような暫定的特別措置(ポジテイブアクション)の実施を事業主の自主性に任せるのではなく、均等法において事業主に義務付けていくことが必要です。
国連女性差別撤廃委員会も、締約国の義務として、具体的かつ効果的な政策及びプログラムを通して、女性の事実上の地位を改善することを求めています。

●均等法おいて事業主に対して暫定的特別措置(ポジテイブアクション)の実施を義務付けることについて
賛成   反対  その他(              )

4 職場におけるセクシャル・ハラスメントを禁止し、事業主にセクシャル・ハラスメントの防止と迅速適正な対処を義務づけることについて、貴党のお考えをお示しください。
 
現行均等法は、セクシャル・ハラスメントについて、事業主の配慮義務を定めているに過ぎません。しかしセクシャル・ハラスメントは重大な人権侵害であり、被害が生じた場合には、労働権がおびやかされるのみならず、PTSDなどの深刻な後遺症を被害者にもたらすことも少なくありません。
私たちは、このようなセクシャル・ハラスメント被害の特質に鑑み、均等法において、セクシャル・ハラスメントを禁止し、被害の防止と迅速適正な対処を事業主に義務づけることを要求しています。

●均等法においてセクシャル・ハラスメントを禁止し、被害の防止と迅速適正な対処を事業主に義務づけることについて
賛成   反対  その他(                )

5 均等法において賃金差別を禁止し、同一価値労働同一賃金の原則を規定することについて、貴党のお考えをお示しください。

均等法では、賃金差別の禁止が規定されていません。これは女性であることを理由とした賃金差別は、労基法4条を適用すると解釈されてきたからですが、労基法4条は罰則つきの規定であるため、きわめて厳格に解釈適用されており、コース別雇用を理由とした賃金差別などに対して、有効な規制を及ぼすことができずにいます。
私たちは均等法において、前記のとおり間接差別を禁止し、さらに賃金差別を禁止するならば、均等法が、コース別雇用管理や非正規雇用などによる賃金格差を是正する効果をもたらすことができると考えています。 またわが国は、ILO100号条約や女性差別撤廃条約の批准によって、同一価値労働同一賃金原則を国内法において具体化する義務を負っています。私たちは、均等法における賃金差別の禁止は、この同一価値労働同一賃金原則を含むものとして規定されるべきと考えています。

●均等法において賃金差別を禁止し、 同一価値労働同一賃金の原則を規定することについて
 賛成   反対  その他(                 )

・ご多忙な折に、ご協力を戴きましてありがとうございました。
貴党のお名前(           )
ご担当者名 (           )

PAGE TOP▲

均等法改定にむけてー労働政策審議会雇用均分科会へWWWの要望書を提出しました!

6月24日、均等法改定のための労働政策審議会に福岡大学・林弘子先生、石田、西村、小西、越堂の5名が傍聴参加しました。当日の審議会のテーマは「間接差別禁止」についてでした。これは、WWNが住友メーカー裁判の原告たちと共に10年来追い求めてきたテーマです。そして均等法に間接差別禁止を明記することは、WWNはじめ、他のNGOが2003年のCEDAWにおいて旺盛なロビー活動を行った結果、CEDAW勧告に反映されたものです。
そして、WWNとして、当日のメインイベントは、「均等法改定にむけてのWWNからの提案及び要望書」を厚生労働省はじめ、各審議会委員に手渡す事でした。公益側委員の責任者である奥山明良教授には、林先生のご尽力で、労働側委員の責任者である連合の吉宮局長とともに、WWNの要望書を提出する場面が実現しました。このような事は奇跡に近いことです。
 また、厚生労働省の石井課長にも手渡し、労働大臣に渡してもらうように依頼しました。石井課長、奥山教授、吉宮局長には、「『公序良俗』に負けなかった女たち」も献本しました。この様子は、翌週に読売新聞とジャパンタイムズに掲載されました。
審議会では、間接差別禁止に関して、やはり「転勤」が中心テーマでした。労働側の吉宮氏から現場の実態が話されましたが、個々の実例だという風に話が流れます。合理性のない転勤とは何か。何が女性たちを苦しめているのかを、もっと審議会は把握してほしいと思いました。
 労働側の片岡委員から「間接差別禁止を盛り込むことは、住友グループの女性たちの取り組みもあり、国際レベル(CEDAW)からの指示もある」と発言があり、私たちは傍聴席からひそかに拍手しました。
  使用者側代表の川本氏は、いかにも経団連からの使いの者という感じ。ただ、ただ「間接差別禁止を導入すると現場が混乱する」「それよりポジティブアクションで対応した方がいい」という意見を繰り返すので、公益側の奥山委員から、間接差別とポジティブアクションとは質がちがう、と指摘がありました。
7月11日付、日本経済新聞は、「やはり、焦点になるのは、間接差別を出来るだけ具体化し、予測可能性を高めること、これをしないと経営側は法制化にあくまで反対しかねない」 
 さらに、「法制化のカギは女性たちの関心がどこまで高まるかにかかっているともいえる」と書かれています。間接差別禁止の世論を、よりいっそう盛り上げていく事が必要だと改めて思いました。

*7月13日に傍聴参加した石田さんレポート

第48回労働政策審議会雇用均等分科会を元京大職員の山崎さんと二人で傍聴しました。前回(第47回、7/7)は、会議が始まる前に傍聴者への注意書き(HPにも出ている“傍聴される皆様への留意事項”)をわざわざ読み上げたそうです。これは、前々回(第46回、6/24)終了後、WWNがロビー活動をし、奥山委員と吉宮委員にWWN要望書を渡す写真を撮ったことなどを厚労省が気にしてのことと思われます。かなり影響力があったということでしょう。今回は何もありませんでした。吉宮さんも奥山さんも欠席のなか、厚労省がこれまでの議論をまとめた「均等分科会における審議状況(案)について議論しましたが、発言は労働側と公益側が殆どで、1時間であっさり終ってしまいました。労働側岡本委員から「セクハラは人権侵害であるということを入れよ」、片岡委員から「男女で仕事の与え方が異なることが賃金差別につながるのであるから、この項目は個別に記載すべき」など、積極的発言がありました。使用者側前田委員が「仕事と家庭の調和というが何が調和点なのか」という質問があり、公益側今田委員が「仕事と家庭の調和が何かわからんということではなく、性差別と関連させてルール化するのが難しいということだ」と鋭い反論が出た一場面もありました。今回も横溝座長のやる気のなさが目立ち、さっさと審議を打ち切るなど、諸悪の根源はこの人だと思ってしまいました。
 終了後、公益と労働側委員、さらに石井課長にも、6/24のWWNの提案行動などを載せた7/1付け読売新聞とJAPAN TIMESのコピーを手渡しました。
次回(7/27)は今回の「審議状況(案)」を修正したものを議論し、そのあとパブリックコメントを募集するそうです。

PAGE TOP▲

総選挙 政党アンケート【回答】

  質  問 自民党 民主党 公明党 日本共産党 社民党 国民新党
1 「間接差別の禁止」を規定することについて ※1 ※3 結成間もない党であり、意見集約が出来ておりません
2 均等法の指針から「雇用管理区分」という枠組みをはずすことについて ※1 ※2 ※3
3 均等法おいて事業主に対して暫定的特別措置(ポジテイブアクション)の実施を義務付けることについて ※1 ※3
4 均等法においてセクシャル・ハラスメントを禁止し、被害の防止と迅速適正な対処を事業主に義務づけることについて ※1 ※2
5 均等法において賃金差別を禁止し、同一価値労働同一賃金の原則を規定することについて ※1 ※2 ※3

 
【○:賛成 ×:反対 ※:その他 (回答内容は下記参照)】

※1 問1 女性労働者の活用を阻害する要因を排除する方法の一つとして「間接差別」を検討する事は有意義だと思いますが、まだ馴染みのない新しい概念であり、まずは十分な論議を行って関係者の合意を図っていくことが必要だと考えています。
問2 「間接差別の禁止」なども含め総合的に議論すべき問題だと考えます。
問3 「間接差別の禁止」なども含め総合的に議論すべき問題だと考えます。「間接差別の禁止」なども含め総合的に議論すべき問題だと考えます。「間接差別の禁止」なども含め総合的に議論すべき問題だと考えます。
問4 セクシャル・ハラスメントを防止することは重要ですが、セクシャル・ハラスメントの受けとめかたについては人によって差があることもあります。事業主に義務を課すことが効果的かつ妥当なのかについても含めてセクシャル・ハラスメントの防止策について十分検討する必要があると思います。
問5 検討すべき問題だと考えております。
※2 問2 雇用形態にかかわらず差別しないことが重要
問4 均等法以前に問題
問5 そもそも賃金差別には反対
※3 問1 間接差別解消のための施策を推進することは必要と考えます。均等法に規定することが現実的かどうかを真剣に検討してまいります。
問2 均等法の真の趣旨が事業者、労働者において遵守されるよう、国連女性差別撤廃委員会の指摘も含め、検討を進めてまいります。
問3 ポジティブアクションを力強く推進することは非常に重要と考えます。実施状況やその効果を調査し、実効性のある制度の仕組みを検討する必要があると考えます。
問4 セクシャル・ハラスメントについては、違反について是正されてきているが、実際に起きたセクシャル・ハラスメントへの企業の対応は十分とはいえない現状があることも言及されております。セクシャル・ハラスメントは女性の人権を侵すものであり、許されるものではありません。防止対策の徹底と積極的支援を事業主に行っていくことが必要と考えます。
問5 労働基準法第4条には男女同一賃金の原則が示されています。均等法に規定を定めることも検討が必要でありますが、賃金格差是正のための施策を具体的に推進し、社会的周知がなされるように努力してまいります。

PAGE TOP▲

ホームページTOPへ