均等法

均等法改定審議会の傍聴に参加して

★間接差別・限定列挙のまま建議に!
12月27日は、最後の男女雇用機会均等法改定の審議会でした。わずか、30分たらずで、従来の(案)通り、均等法を改定する最終案が承認されました。これを建議といいます。労働者側からは「間接差別基準は限定列挙でなく例示列挙にすべき」一方、使用者側から「間接差別概念の導入について懸念がある」との意見が示され、この意見も添付されました。
この意見書は建議と共に当分科会から、厚生労働大臣の代理である北井局長に手渡されました。この建議を受け、厚生労働省は法案骨子を作成、それを再度、当委員会にてはかり、次期通常国会へ関係法案を提出するというスケジュールです。

★今後の男女雇用機会均等対策について
「建議」の概要
☆男女双方に対する差別禁止

☆差別的取扱いを禁止する雇用ステージについて、配置における権限の付与・業務の配分が含まれることを明らかにし、「降格、雇用形態又は職種の変更、退職勧奨及び雇い止め」を追加した。(指針にて禁止の対象となる事例を明確化)

☆間接差別として、以下を対象とする
:募集・採用における身長・体重・体力要件
:コース別雇用管理制度における総合職の募集・採用における全国転勤要件
:昇進における転勤経験要件
☆妊娠・出産の不利益扱いを、解雇以外の不利益扱いも禁止とする
☆妊娠中・産後1年以内の解雇は、事業主が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明しないかぎり、無効とする

☆ポジティブ・アクションを行っている企業がその取り組み状況を外部に開示する際に、これを国が支援する
☆男性に対するセクシャルハラスメントも対象とする
☆セクシャルハラスメント対策を事業主の措置義務規定とする
☆セクシャルハラスメント及び母性健康管理措置について、調停及び企業名公表の対象とする
☆女性技術者が坑内の管理・監督業務等に従事することができるよう、妊産婦が行う坑内業務及び作業員を除き、規制緩和を行う

★Never Give upでがんばりましょう!

間接差別禁止の法制化をめざして、苦節、10年。今回、国連CEDAWの勧告に沿って、間接差別の概念が法律に入る事は一応評価できます。しかし、「指針」の雇用管理区分によって作られたコース別制度で長年苦しめられてきた私達は、間接差別の対象を3つのみとする限定列挙は、絶対に許せません。
 審議会傍聴に参加して、ほとほと、日本の経営者の国際的レベルの低さにがっかりしています。あるいは、分かっていて知らん顔なのでしょうか。何がグローバリゼーションなのでしょうか。目先の利益のみしか考えず、女性を消耗品としか見ない経営者の考え方は日本の発展を阻害します。

★間接差別の事例集をつくります!

今回の間接差別の限定列挙の3つの例も、実は、職場では、もはや古い上着となっています。 労働者側委員が言ったように、差別の形態はドンドン変化します。ますます男女差別が見えにくい、差別隠蔽の方へ経営者はもっていこうとしています。
 今では、職場は、コース別制度はなくなり、消されつつあります。三井物産は、すでにコース別制度を廃止し、女性のみ5年間の正社員制が実施され、今年は第1期生の最終年度を迎えます。
 野村證券は2年間のファイナンシャル・アドバイザーを募集、こうして、有期雇用の女性たちがあふれるほど生み出されます。私たちは、2月に開催予定の第3回院内集会にむけ、間接差別の事例集を作成します。WWNは、主にコース別の事例、パートや派遣の事例は、目下東京の方々で準備中です。
この事例集は国会議員にむけてのロビー活動に旺盛に使い、間接差別の限定列挙の不備を知らせます。
さらに、マスコミや労組など、国内各所でPRし、次に、それらを英訳した上で、CEDAW委員や、また、WWN有志で5月に訪問する、ウイーンやライプチヒ大学などの講演等、海外へも配信する予定です。コース別人事のリアルな職場の実態、昇進・昇格のポジティブ・アクション、そして、仕事と生活の調和を盛りこむために女性の働きすぎの実態、有期雇用の雇止め等、多くの実態をおよせ下さい。

越堂静子

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