WWNニュースレター 2009年4月6日発行 ③
国際シンポジウム報告書で
「女性差別撤廃条約に強いあなた」に
石田絹子
2008年11月、大阪と東京の2会場で開かれたWWN・国際シンポジウム「すべての女性へのプレゼント 女性差別撤廃条約(CEDAW)を職場に活かしましょう」は、内容の濃い議論を展開しました。CEDAW委員の林陽子さん、サンフランシスコでCEDAWを条例化させたクリシャンティさん、東海大学・日本女子大学非常勤講師の近江美保さん、この3人の講演のすべてを日本中の働く女性に広めたいと思い、報告集を作成しました。
講演のテープ起しにはかなりの時間がかかりました。白藤栄子さんはお正月休みを返上し、逆井征子さんは繰り返し巻き戻したためにテープレコーダーがとうとう壊れてしまいました。私はテープを何度も聞くうちに、ますますこの講演内容に確信を持ちました。質問とその回答が講演内容をより深めることを発見し、当初予定していなかったこの部分も収録することになったため、発行までに少々時間がかかりました。
テープから起した原稿をチェックしていただくために林陽子さんにメールを送ると、なんとCEDAW第43会期のためにジュネーブ滞在中でした。忙しい会期中にもかかわらず、即座にチェックし、テープだけでは理解できなかった部分の補足を加え、さらには43会期で決まった最新の情報まで書き加えて返信してくださいました。この報告集は私たちが知りえる最大級で最新の情報が盛り込まれています。政府関係者ではなく、民間から選ばれた林陽子さんがCEDAW委員になられたということの強みがここにも表れています。
当日配布した資料もどれも貴重なものであり、当ニュースレターの1月号に掲載した、WWNメンバーによるレポートと参加者の感想も収録しました。シンポジウム後に出たマスコミ報道も入れましたので90ページを越える膨大な報告集になりました。
パネリストの方がそれぞれ報告されているように、7月に開かれる日本政府報告の審議にはNGOが独自に作成したレポートや、ロビイングが大変重要です。CEDAW委員会の最終見解に私たちの意見が反映されるには、議場での議論と政府の答弁が必要ですが、そのためには委員とNGOとの連携が重要です。この報告集でシンポジウムに参加した方もされなかった方も、女性差別撤廃条約を使いこなし、「女性差別撤廃条約に強いあなた」になって、7月のニューヨークへ行きましょう。
尚、この報告集は財団法人倶進会の助成を得て作成しました。頒価は1冊1,000円です。
お申し込みはWWNまで。
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