トピックス

商社・兼松判決確定・・コース別は労働基準法4条違反

商社・兼松原告・・同社の男女コース別処遇が労働基準法に違反の高裁判決確定

<10月21日投稿 越堂 静子>

10月20日、兼松の最高裁判決がでました。判決は、「棄却」でした。すなわち、「東京高裁(2審)の判決」が確定しました。これで、14年にわたる長き裁判は終結しました。

今朝の朝日新聞には、『同社の男女コース別処遇が労働基準法に違反していたとして、6人中4人に約7300万円支払うよう兼松に命じた二審が確定した』

CEDAWからの、「条約を国内法へ直接適用せよ」という勧告や、新政権が選択議定書批准に実施表明するなど、国内外の大きな変化のなか、「早い判決が賢明」と判断したかのように思います。最高裁にて、敗訴した2人のジェンダーに満ちた高裁判決内容が、再考されなかったことは残念ですが、東京高裁にて、職務評価が活かされ「男女コース別処遇は労働基準法4条違反」という判決を聞いたときは、私は、鳥肌がたつくらい感激しました。これは日本初の判決内容で画期的なものでした。

そして、逆井さん、小関さんの二人の原告たちが、7月にNY、国連・CEDAW本会議にて発言し、帰国後、すぐに、最高裁にこの原告発言の写真や、CEDAW勧告を提出。さらに、パッテン委員が、国連会場で「兼松や住友メーカの裁判が長いのは国内法の不備」と発言したことも、最高裁に報告でき、機敏な活動が、とても効果的だったと思います。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

兼松「男女賃金格差は差別」2審判決確定」@YOMIURI ONLINE

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091020-OYT1T01082.htm

総合商社「兼松」(東京)の女性社員ら6人が、仕事は同じなのに賃金で男女差別を受けたとして、同社に男性との差額賃金などの支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は20日、原告、被告双方の上告を棄却する決定をした。「賃金格差は差別にあたり違法」として、原告のうち4人について、同社に計約7250万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決が確定した。1審・東京地裁判決は「男女別の処遇が公序に反するとまでは言えない」と述べ請求を棄却したが、2審は、原告のうち4人は男性社員と同じように重要な仕事をしていたのに、合理的な理由に基づかない賃金の格差があったと認定した。200910202116 読売新聞)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<10月22日投稿 越堂>

兼松の原告のみなさんへ HPご訪問のみなさんへ

兼松の原告のみなさんは、ご自身の健康問題やご家族の健康問題を抱えながら、14年間もの長き裁判を闘われて、今、やっと安堵されている事と思います。本当に長い間、お疲れさまでした。最高裁が、お二人のジェンダー問題を裁けなかった事は、残念ですが、最高裁が「コース別は労働基準法4条違反」という判決は、けしからん」と、高裁へ裁判の差し戻しをしなかった事は、最高裁自身が、コース別処遇の違法性を認めたことであり、この確定判決の意義は歴史的なものといえます。今後、企業への「コース別処遇」のあり方にも大きく影響する事は必至です。

7月のNY・国連のCEDAWにおける、兼松原告の発言は、まさに住友電工の高裁の時と同じで、CEDAW効果を生み出しました。また、パッテン委員が、「兼松、住友メーカーは・・」と国連で、実企業名を挙げるという、異例の発言があったことを、最高裁に伝えたことも、大きな効果であったと思います。特に、8月には、的確でするどい指摘が満載のCEDAW勧告をうけて、最高裁といえども、国内、国際的な双方の大きな時代のうねりと、男女平等への流れを感じ取った結果であろうという思いを強くします。早速、岡田さんに、新聞記事を英訳していただきました。パッテン委員、ブルーン委員やILOのオルネイさんに、お送りします。

PAGE TOP▲