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CEDAW会議に参加して・・・みんなの思い

大きなプログレスへの一歩

         萩原久美子(フリーライター)

  「雇用管理区分は間接差別」。国連女性差別撤廃委員会でパッテン委員の日本政府への追及が始まった。傍聴席には身動き一つせず、質問に聞き入るWWNメンバー。間接差別禁止規定の強化や均等法指針の雇用管理区分の削除を求め、今審議に向けて二年前から蓄積してきた国際活動が実った瞬間だった。

 WWNの活動実績とパワーが実感できた旅だった。到着直後から展開された広報活動。20人を越える女性が国連本部の日本メディアの記者クラブに「突入」する迫力には元新聞記者の私も驚いた。国連前では持参した横断幕を掲げ、間接差別の実態を訴えるビラを配布。委員を招いてのNGO主催の会議に向け、深夜まで発表資料の文言を詰める越堂さん、岡田さん。早朝ロビー活動では元住友原告らの的確な説明に、「雇用管理区分の撤廃」と大きくメモする委員の姿も見た。

   行動をともにしながら、賃金、昇進での男女差別をめぐり長い裁判を闘った住友元原告の「日本がだめなら世界がある」という言葉を思い出した。「当たり前のことが通じない」日本を一歩出れば、国際社会からのエールが待っている。自らの行動が起こした波が少しずつでも国内での差別是正の道を拓く。そんな手ごたえを得た今回の旅の終わりに、男女賃金差別裁判の最高裁での結審を待つ兼松原告の逆井さん、小関さんが「元気になった」と笑顔で語ったのが印象的だった。

 審議では日本政府から想定問答集以上のものは出なかった。だが、委員には日本の女性たちが現状に甘んじてはいないことが印象付けられたように思う。「(女性差別が明らかでも)世論を待つのか」と日本政府に迫ったシモノヴィッチ委員は審議後、こう言った。「日本にはこんなに力強いNGOの女性たちがいる。必ず状況は変わる。その大きなプログレスを皆さんが作り出すにちがいない」

 そんなプログレスに向けての一歩を体験できたことに心から感謝したい。

  次は日本国内でミラクルを

    笠岡由美子(元住友金属原告)・・・写真右

   WWN海外活動への参加は一昨年の「ILOへの旅」に引き続き2回目!ニューヨークでのCEDAW本会議を傍聴、期待でワクワク住友メーカーの元原告が初めての海外活動に冬のニューヨークに来たのが1994年です。1994年、私は参加できずに日本に居ました。

 あれから15年、日本国内で男女差別賃金の裁判に多くの女性が立ち上がりそれぞれの結果を導き出しました。その結果も踏まえ日本国内で労働の分野でなぜ男女平等が進まないのかが凝縮された今回のWWNのレポートを基に、CEDAW委員のパッテンさんを日本に招いてのロビイング活動、現地での他の委員へのロビイング活動等、本会議でその活動が余すことなく花が咲きました。なぜ、これだけたくさんのミラクルが起きるのでしょうか?目的を持って従前にとらわれずに考え行動し前進し続けるバイタリティ、人との繋がりを大切に信頼し働きかけ、自画自賛ではなく自画絶賛なポジティブさ、方針を決める頭脳集団の存在、等ではないでしょうか?

この力を基に今度は日本国内でのミラクルです。分厚い壁に思える日本国内も動かしているのは「人」です。人との繋がりを大切に信頼し働きかけ続ければ変化が生まれるかも?「大変」な時は大きな変化が起きる時です。皆で力を合わせ「人」を信じてできることにトライ!

 生まれては初めてのニューヨークも満喫。ミュージカル・ニューヨーク市内観光・美術館めぐり・ナイアガラの滝・ニューヨークのそぞろ歩き・ニューヨークのTボーンステーキ等。飛行機の遅れ、ミュージカルチケットを紛失、ハラハラドキドキも経験し充実した旅でした。皆さんありがとうございました。

 


               

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