WWN 総会・記念講演会
WWN 総会・記念講演会
ビッグなお二人のおはなし÷÷÷ そして、兼松裁判原告と住友メーカーなど元原告たち
11月14日(土)のWWN総会・講演会にて、ビッグなお二人のお話を伺いました。朝日新聞記者の竹信三恵子さんからの「EUにみる雇用のセーフテイネット」のお話です。
「EUにみる雇用のセーフティ・ネット」~日本の新しい安心に向けて~
(09・11・14 朝日新聞編集委員・竹信三恵子)
1. 業種規制から働き手の保護へ
・97年採択のILO181号条約の意味~均等待遇原則
・08年11月、均等待遇原則のEU指令を採択
・無際限な派遣へのシフトを食い止める均等待遇
2.働き手全員がリスクを分散する社会~元祖フレキュシキリティのデンマーク
・解雇規制の自由化と正社員の転職支援強化、少ない派遣労働
・労組と政府と企業が密接に協力
・長期失業者防止へ「解雇前に転職」が目標
3.均等待遇と職業訓練基金の充実~フランス
・派遣は前任者と同じ待遇
・賃金総額の1.6%。派遣業界は2.2%を義務づけ。実際は2.5%拠出
4.ハルツ改革と均等待遇の抜け穴~ドイツ
・派遣社員は派遣会社の正社員(常用型)=従業員代表者委員会が呼び戻し優先順位など要求
・「労働時間口座」活用で解雇をしのぐ
・ワークシェアに派遣社員も含める
・キリスト教系労組の労働協約による抜け穴作り
・ミニジョブなどワークフェア型へのシフト~社会的包摂か労働の強制か
5.「人材派遣先進国」オランダ
・高い派遣普及率と均等待遇
・フェーズシステムによる常用雇用化(中断が抜け穴に?)
・派遣の悪貨駆逐へ、労使で監視機関「労働協約ポリス」
6.有期雇用の増やしすぎのツケ~スペイン
・働き手の3人に1人が有期雇用
・無期雇用社員の強い保護と有期格差
・失業率17%
7.社会的企業で職業訓練~英国
・職業訓練しても仕事はない→仕事つき職業訓練
・民営化を逆手に
8.日本の新しい安全ネットへ向けて
・家族ではなく社会が
・必要な労組の政策決定力と監視
・会社依存の福祉のこわさ~「仕事を失ったらなぜ家も失う」? 職業訓練も会社を出たら終わり
・生活保護以外の安全ネットを
みなさんから、EU事情を聞けて良かったと下記のような感想がありました。
★「日本は食べられない賃金で我慢して働く」「そういう仕事をドンドン
作ってきた」という竹信さんのお話、本当に胸にこたえました。
★単純にEUを美化したり、一部の学者のように北欧では解雇を自由化した、
といった面だけを強調しないので説得力があります。
★EUの多くの国が,国による違いや困難が多々ありつつも、それぞれの形で
派遣労働の問題について、我が国の参考になり取り組みをそている事が、リアル
に分かりました。
★日本の失業した時のセーフテイネットの構築が必要と実感した。どうかしてEUに近づけたい。
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ニューヨーク市大教授のジョイス・ゲルブさんは「オバマ大統領で女性政策は変化したか」を講演いただきました。
ゲルブさんは、上野千鶴子さんから招かれ東大にて講演されます。
皆さんの感想から:
★アメリカの保険制度のひどさをDVD「シッコ」を見て
あらためて驚いたが、日本もアメリカに近づいているので、
反面教師としてみんなに知らせていく必要を感じた。
★アメリカ女性の保険加入率の低さの問題点を具体的に知りたい。
★健康保険システムはどうなるのか、注視していきたいと思います。
レイプが多い国で中絶が認められないのは何故でしょう?
★ジョイスさんにアメリカの現在の労働に関する質問をしたかった
のですが・・残念。