ヌエックでのワークショップ「ILOとイギリスの旅から学んだこと」石田絹子<WWNニュースレター53号>
3月に開いた「ILOの旅シンポジウム」のDVDをほんの少し、導入部分だけを映してスタート。パワーポイントで「ILOとイギリスの旅から学んだこと」を約30分で報告しました。続いて①「ILOからの働く女性へのプレゼントとは?」②「イギリス労働組合の活躍」③「省庁交渉ドキュメント」④「商社兼松の男女差別とILO」という、いまWWNが展開している運動のエッセンスを報告しました。「省庁はなぜ積極的にこの問題に取り組まないのでしょうか?」「同一価値労働同一賃金って、一般的にどれだけ知られているのでしょう?」と、若い方から質問がありました。
最後に“おまけ”として「好きやねんドーンセンターの会」のDVDを上映して、2月の橋下知事の「売却」案を6月には「自立化」、7月には「自立化1年延期」まで持ち込んだ運動を紹介しました。全国の女性センターや自治体関係の人がたくさん集まるこのフォーラムでは何としても報告したかったのです。途中で席を立つ人もなく、最後まで熱心に聴いてくれました。
毎年8月に開かれるヌエックのフォーラムは、年を追う毎に参加者が減り、ワークショップの数も少なく、労働の分野は特に手薄です。今年は3階の会議室が殆ど使われていませんでした。会場を行き交う人もまばらで、スタートした当時の燃えるような熱気が見られなくなったように思います。その状況のなかでも、このワークショップでWWN会員が増え、DVDが売れたのはうれしいことでした。そしてこんなドラマがありました。会場で住友電工の白藤さんが、隣に座っていた方から、「裁判をされたのですか?実は私の娘が中央官庁に入省したのですが、あまりの長時間労働が続いたため体調をこわして辞めました。そしていま司法試験を受けるための勉強中です」と声をかけられたのです。名刺をいただいてあったので、9月11日の司法試験発表のあと、勇気をふりしぼって結果をお尋ねしたら見事に合格したとのこと。その後、メールのやりとりがあってこのお母さんにWWN会員になっていただきました。前回も、「毎年WWNのワークショップを楽しみにして来ているんです」という方に出会って会員になってもらい、ヌエックは新しい出会いの場所となっています。