WWNニュース №58号 2010.1,25発行③
【逆井征子さん】
10月20日、最高裁から上告棄却という通知をもらいました。最高裁の判決は突然、弁護士事務所に連絡が来て、それから原告たちに電話があり、文書は翌日PDFで送られてくるという本当にあっけないものです。「上告棄却になりました」という連絡を代理人の先生からもらったときも、正直唖然としてどういう思いをいだいていいかもわからないという状況でした。
しかし「上告棄却」は兼松原告だけではなくて、会社の上告も棄却になりましたので、高裁判決が確定しました。高裁判決では今までの判例の中にはなかった、コース別雇用が労基法4条違反だという判決だったので、大きな成果だと思います。
これを今後ぜひ職場の中で活かして、女性の差別が少しでも是正されるようにつないでいけたらうれしいです。4名が損害賠償を受け、2名は残念ながら何の救済もされませんでしたが、全体から見て、女性たちの大きな財産だと思います。私たちだけのものではなくて、みなさんのものとして職場で活用していただきたいと思います。高裁判決がどのように職場でいかされるのか、お話したいので、私は定年退職していますから声をかけてください。私たちの裁判は一貫して同一価値労働同一賃金を思ってやってきて、職務評価を行ってきた結果でもありますので、職務評価をやってみたい方がおられたらぜひ声をかけてください。いつでも伺いたいと思います。長い間、ありがとうございました。
【小関道子さん】
最高裁から連絡がありましたが何かすっきりしないものがあります。完璧な勝利ではないので、今までもいろんな原告の方が「複雑な気持ち」と言われたのはこういうことなんだと実感しました。それでもやはり前向きにとらえていくべきだと思って約1ヶ月がたちました。
2007年にILOへ行き、翌2008年1月に高裁判決が出て、2名は悔しかったのですが、これはかなり画期的な判決でした。そして今年7月にニューヨークのCEDAWへ行って、10月に最高裁判決がでました。その間、WWNの方たちに本当にバックアップをしていただき、常に前面に出していただいてお世話になりました。これがなければ私たちはここまで来られなかったと思います。そういう意味で先陣としてWWNが道をつけてくれていて、それを今私たちが使えるということはありがたいと思います。
14年もかかって長かったけれども、今ここに原告として立っていられる喜びで帳消しになります。本当にありがとうございました。
【木村敦子さん】
「上告棄却」という結果は予想はしていたものの、現実となると「どうしたらいいんだろう」と思いました。判決だったら原告みんな揃った状態で聞けるのですが、バラバラの状態で結果を聞いたのでみんなそれぞれ不安な思いを持って過ごし、数日経ってからみんな集まって、やっとだんだん今までやってきたことが確実な成果になったのだと思えるようになりました。
この判決は労基法4条違反などいろいろ成果がありますが、実際の職場に直接すぐに反映するものではないので、現在職場に残っている者として私が自分の職場でも活かせるように考えていかなくてはならないと思っています。
定年までまだまだあるので頑張っていきたいと思います。WWNのみなさんには本当にお世話になりました。私たちはすぐ気持ちが弱くなって、前を向けなくなってしまうのですが、大阪に来ると元気になり、今日も来てよかったです。裁判は終わりましたが、私の中では差別は終わってないという思いが強いのでこれからもみなさんと頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。