ILO・CEDAWから

国連・CEDAW作業部会、ILO、OECD(経済協力開発機構)にむけて

2008.11.8~11.16   国際機関にむけてのWWNミッション

住友電工・元原告の西村さん、白藤さん、住友化学元原告の石田さんと越堂の4名は、ジュネーブの国連・CEDAW作業部会、ILO、パリのOECD(経済協力開発機構)の3ケ所を参加、訪問し、WWNの下記のミッションを、成功裏に果たしてきました。

①間接差別を容認する指針・雇用管理区分の削除
②同一価値労働同一賃金の立法化

特に、均等法の「指針」を岡田仁子さんに緊急に英訳してもらい、均等法(政府英訳)とともに持って行き、各機関からとても喜ばれました。

(CEDAW作業部会)
11月10日(月)12:45−13:00
ジュネーブ国連本部アセンブリービル、会議室16

NGO参加は、アルゼンチン、日本、スイスの3国この順に1ヶ国10分が割り当てられ、NGOが発言その後に委員との質疑応答会場の委員から日本のNGOへの質問は、従軍慰安婦、DV、セクハラ問題、パート問題でした。

リスト・オブ・イシューズ(政府への質問)は、14日の金曜日に採択され、来週、政府に送付されるとのこと。

ランチタイムにパッテン委員(弁護士・モーリシャス)と、タン委員(弁護士・シンガポール)、がご参加され、2時間以上もも時間がありましたので、十分にWWNから、雇用の問題を中心に上記の2点の課題を説明し、また、兼松や野崎さんの裁判は最高裁なので、選択議定書の批准もあわせ。是非、日本政府に質問してほしいとロビイングする事ができました。

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(ILO・平等部のオルネイさん)
11月10日(月)16:00−16:30
ILO・オルネイさんの事務所

ILOでは、兼松と昭和シエルの野崎さんの裁判報告を提出しました。
特に、兼松の裁判は、教授や商社に働く人たちで、6ケ月以上かかって作成した、職務評価に効果があったのだと、力説しました。
労働基準法4条(英訳、役にたちました)で同一価値労働同一賃金がクリアになれば、10年も13年も裁判はかからなかったと、強調しました。

それから、「指針」の英訳には大喜びされ、これは、自分に提出された私的な文章だから、来年の6月くらいの時期に、WWNとして、ILOに公式に報告書を提出してほしい。そうすれば、政府に公式に質問する事ができるから、とのこと。
ILOからWWNへの信頼に応えねばと、身を引き締まる思いでした。
オルネイさんのお別れの言葉は、「来年の7月、New Yorkで会いましょう」でした。

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(パリのOECDにて)
11月12日(水)10:00−11:00

OECDでは、Head of the Employment Analysis and policy Division
のステフアノさんと、Economiste のアンさんと、お会いました。

WWNは、ステフアノさんとは、メールでアポをとっていたのですが、途中で交信が途絶え、困っていた所を、JNNCの大谷弁護士から助け舟。なんと、彼女の友人がOECDで勤務していて、その方のご尽力でアポイントが実現しました。

ほんと、多くの皆さんのお陰で、ひとつひとつ扉が開いていく事を実感しました。

OECDの担当者の、お二人からは、歓迎をうけ、1時間もお話をしました。
OECDは、各国の政府機関から成り立っていて、ソーシャルパートナーとして、各国の企業、労働組合と協力関係にあるとのこと。
NGOとも対話するが、日本のNGOとは、WWNが始めてであること。
WWNの情報にとても、興味がある。日本は、非正規が多すぎる。
日本は、若い人たちの就職の場が少なく、非正規になっている。
OECDは、非正規問題をハイライトとしている。特に下記の2点を提案したいとのこと。

①1時間当たりの賃金を同一に。
②非正規社員のト−レーニングを、正規社員と同じにする。

 素晴らしい、提案内容です。他国の方々がこんなに考えてくれているのに、日本政府のふがいなさが浮き彫りでした。

さらに、WWNは、非正規はパートのみでなく、派遣社員、契約社員に大きな問題がある事を説明。小谷さんの例を用いて、契約社員の雇い止めで裁判に負けたこと、そして今年、彼女は司法試験にパスしたこと、また、商社のように、女性のみ3年、5年の契約社員として雇用、これは、間接差別だと主張しました。
非正規の問題を昭和女子大学の森ます美先生が、労働旬報に書かれたので、日本語ですがと、献本してきました。早速、英訳しますとのことでした。

それから、住友メーカー裁判の3名の元原告を紹介したあと、「裁判は今でも、続いているか?」と質問がありました。

「残念ながら、労働基準法4条もクリアでないし、均等法もコースが違えば比較の対象にならない。どの法律も機能しがたく、また、年月がかかるので、みなさんあきらめ気味である」と説明すると、「証明の仕方も違うし」と二人とも、うなずいておられました。

今後とも、WWNは、働く女性の情報を提供することを約束して、OECDを
あとにしました。

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