WWNニュース 64号 街頭インタビューに参加して
街頭インタビューに参加して ~~
2011.5.7 大阪駅前陸橋において ~~
❀❀❀ はじめての調査員・・・ ❀❀❀(長屋 典子) 大阪駅前の陸橋で土曜日の昼下がり、14時から16時の暑い盛りに「あなたは出世したいですか」と聞くことになりました。 家からバインダー持参でいざ始めるとだれも立ち止まってくれません。早くも挫折でWWNの横断幕持ちに交代してもらいました。 手持ち無沙汰だし手もだるいので、すこし大声で「アンケートにご協力を」と叫ぶも反応なし。のこり40分、 折角だからとまた調査員になりやっと4人、女性の介護士、就活中3人に話を聞くことが出来ました。就活中の黒スーツの中 にはとても横柄で可愛いげのない人が多数いました。こんなのが後輩になったらかなわんなぁと思いながら、あかんべーえを していました。心の中で。アンケートに協力してくれた黒スーツに最後にWWNの入会カードを渡し「辛い事があったらここに 連絡を」と言うと「そんなに辛い事があるんですか」とのけぞっていました。甘い、甘いものです。 これからはアンケートをするしんどさが分かったから、ほかの人のチラシは受け取り、アンケートにも協力せなあかんと 一瞬思いましたが、実際になると今もチラシ配り、アンケート中には近寄りません・・・。
❀❀❀ 同業だから分かる・・・ ❀❀❀(嶋川 まき子)
JR大阪駅がリニューアルしてすぐの土曜日とあって、陸橋の上は人、人、人。日差しがきついせいか足早に通り過ぎ、なかなか立ち止まってもらえない。
「あなたは管理職にチャレンジしたい?」というテーマだから、正社員を捉まえなければ!働く女性の3分の2は非正規労働者だから、宝探しの気分。まず「正社員ですか」と尋ねる。「違います」の裏にその人の思いを想像する。自ら選んでいるのか、止むなくか。このテーマも機会があれば聞いてみたい。振られ続けて次第にアンケートに答えてくれそうな雰囲気の人が分かってきた。対比が面白かったのは、二人の若い女性と男性で、いずれも公務員。女性は専門職の公務員とITに勤務。二人とも即座に「管理職を目指します」と回答。バギーを押したカップルの男性が小学校の先生。「管理職になりたくありません」。私も同業だったから分かる。今の教育現場の状況なら無理ないねと共感する。二人の若い女性には、「辞めようかなって思うときがあっても、自己の中だけで解決しないでね」とWWNの入会カードを渡した。
❀❀❀ あなたがこの国のために何ができる ・・・❀❀❀(池崎 翔子)
「国連へ届けます。あなたは管理職にチャレンジしたい? WWN街頭インタビュー」という薄紫の大きなバナーを掲げ、その前で行き交う人をキャッチ。携帯のお水のボトルを手放せない暑さの中、アンケートに応えてくれる人を探す事は簡単ではなく、15名も集まれた事が大きい意味を持っていたと感じます。20代30代くらいの男性の中には「管理職になる事をためらう要因の一つとして、家の事(子育てや家事)との両立が難しそう」という、若い世代故に出てくる声もありました。アンケート調査終了後、皆暑さでやられ足が棒となりましたが、この調査結果がまさに議員や各省庁との意見交換会に活かされ、国際機関への政府報告書と今後の政策にも影響が及ぶ事を期待し、そして社会が変わるきっかけとなる事を期待しています。ケネディ元大統領の就任演説の「Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country」 (国家があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたがこの国の為に何ができるかを問いなさい。)を思い出し実感した活動でした。
❀❀❀ 普通の話になればいいな・・・❀❀❀(小川 一女)
「国連」「管理職」「チャレンジ」そんな言葉に「ん?なになに?」と歩く速度をほんの少し緩めてくれる人は、真面目な人。それから、緊張感が抜けないスーツ姿の就職活動中の人達は、たいがいは真摯に答えてくれる。さりげないおしゃれをして連休の解放感を身にまとっている女性にばかりつい声をかけてしまう。みんなおしゃれでかっこいい。男女の差なくチャレンジしてみればいい、と学生の間はそう言われて育ってきた。誰だってチャレンジはしてみたい。
「暫定的」な「特別」の「措置」なんてバナーに書いてあって、「ん?ほんとの男女平等のために必要だって国連が言ってるあれのこと?ニュースでみたけどちょっと気になってたんだ。」—それくらい普通の話になればいいなって思う。
❀❀❀ ハッピーな午後・・・❀❀❀(北島 順子)
石田さんから突然のSOS、「時間あればバインダー持って来て」とのこと。内容もよく聞かず、とにかく指定の場所に行きました。ちょうど息子が靴をプレゼントしてくれると言うので足の測定に時間がかかり、もうすでに始まっていて、行き当たりばったりのインタビューでした。曇りだと思っていたら五月晴れ。日に当たるなと言われている私には最悪の天気です。帽子を深々と被り、「インタビューを!」と勢い込んで声をかけるものの、「ウサンくさいなあ」と言わんばかりに避けて通り過ぎて行きます。インタビューの内容もよく読まず、まあなんと無謀なことよと苦笑しつつ、しばらくじっくり読んでみました。30分ほどして初めてインタビューに答えてもらえた時の嬉しかったこと! それまで落ちこんでいた気持ちも吹っ飛びました。それからは、「この人なら立ち止まってくれるかな?」と目星をつけて当たることにしました。コツが少しづつ掴めるようになり、陸橋の揺れや心地よい若葉風をも感じられる頃にはインタビュー用紙もなくなっていきました。日陰ができる頃にはすべて終了。インタビュー仲間のみなさん、いい顔になっていました。気軽にインタビューに答えてくれる人がいる反面、面倒なことには首を突っ込まないという人がいかに多いか。もう少し、構えなくていいように、何のインタビューかよくわかるように工夫する必要があるかなと反省。ともあれ久しぶりに充実した2時間でした。
❀❀❀ 新鮮!だけど・・・戸惑い❀❀❀(秋山 依子)
管理職について「子育て中の男性」はどう思っているのだろう。興味があったので、典型的な子育てファミリーをみつけて声をかけました。男性は30代、妻は専業主婦、2歳と0歳児のパパ。「管理職にチャレンジしたいですか?」「いいえ、僕は特に管理職になりたいとは思っていません」「家事や子育てが大変だから?」私は思わず独りよがりな質問をした。「いいえ、関係ありません。あまり、興味がないんです」新鮮!驚き! 現役時代に出会った30代の男性といえば、「俺が天下を取ってやる」と言わんばかりの勢いの人が多く自信過剰気味で生意気盛りだとほほえましく思っていた。この違いはいったい何なんだろう。躊躇なく「興味がない」と即答した若者に戸惑いを感じてしまいました。 それから、面白いことがひとつ。路上ショップの60代の男性から声をかけられました。「なにしてんの?」「なんのインタビュー?」気になって仕方がなかったらしい。事情を説明すると自信たっぷりに「そりゃ、女性は管理職になりたいやろう。ずっと男性に威張られてきたからな、今度は逆転して威張り返したいやろう」「逆に男は管理職にはなりとないやろな。しんどいこと解ってるやん」さすがピープルウォッチングしているだけあってよう見てるわ。短時間でしたが、面白い経験でした。