働く女性の教養講座 「スイス物語・男女平等における男性の役割」
4月7日(水)、国連にて25年間、人権問題に携わってこられた白石理さんをお招きして、WWN・働く女性の教養講座にて講演いただきました。
まず、白石さんは、開口一番、「1998年に肝臓移植をして、今、また再発し肝炎を治療中」と、びっくりするお話。スイスに住んでいたから、そして、お連れ合いが発見されたから命が助かったとのこと。
1997年の夏、WWNが初めてジュネーブの国連を訪問して白石さんにお会いした時、「世の中に、こんなに親切で、ダンデイな日本人がいたのか」と感動したのですが、その当時は、移植手術の待機中だったそうです。現在は、肝炎の治療は順調で、6月には、健康を取り戻し、大学病院の医者のことばを借りれば「ピンピン飛び跳ねることができる」とのことです。
白石さんの、人生観そのものをスイス物語として、「人権」と言う課題を、ご自分の仕事や結婚生活など体験談に引きよせてのお話でした。肝臓移植手術後の病床をずっと見舞ってくれた上司との心のふれあい、お連れ合いとの30年間の愛とそして少しの機関の葛藤の歴史、素晴らしい人たちとの友情物語、また、事実上の平等が実現している国連という職場での生き生きと楽しく働く皆さんの姿を語っていただきました。
育児,家事に休暇をとる。保育所が家の近くにあることなど、社会のあり方が、女性の地位向上と密接につながっていること。また、女性の経済的基盤、発言力が裏打ちされて、ILOでいう同じ価値を認められることが大事だと強調されました。
職場の(賃金格差、処遇格差など)人権侵害の犠牲者である女性たちと会社はそう思っていない日本。
5月中旬に、国連高等弁務官が来日し、日本社会での人権侵害の犠牲者の声を調査に来られるそうですが、白石さんは、「それには、WWNが一番ふさわしいNGOだと思っています」と語って下さいました。
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<参加者から>
白石さんの話は肩に力の入らない自然体でとてもいい内容でした。
日本のなかにできるだけたくさんの白石さんをつくらなくてはなりませんねえ。
欧米のような環境にない日本男児には女性と同等なんて考えるだけでも苦しいことでしょう。
今日のようなinternationalな情報を力を抜いた自然体で話していただけるような機会にできるだけたくさんの若い人たちを集めることがまず第一歩でしょうか。
まだ頭の柔らかい若い人が男女を問わずこのような講演会にあつまるようになれば、少しづつでも私たち日本人は女性労働問題では誠に恥ずかしい後進国にあることを自覚してchangeしなければならないとおもうようになるのではありませんか。
環境と教育がいちばんであることは確かですが、中学生や高校生むけにこのような講演会をひらければもっと効果的でしょうね。
WWNの息の長い活動には頭が下がります。一朝一夕になるものではありませんから、どうぞどんどん若い人たちにつなげていってください。