CEDAW

WWN ニュースレター 2009年8月27日発行 ②

7月23日 CEDAW・日本政府第6次レポート審議会

~主に雇用に関する質問・日本語訳をヒヤリングしたものを要約~

 

CEDAW条約 1条~6条

 

【質問】

<パッテン委員> 条約の1条は、広範囲の「女子にたいする差別」の定義が書かれている。2003年のCEDAW勧告では、定義を条約にそって入れるべきと勧告。直接、間接的な差別禁止は、いかなる分野においても女性が享受すべき。これまでのところ、国内法にないと思う。

均等法で間接差別にふれている定義で制約的な措置が書かれているが、これは条約から離れた基準。均等法のきわめて制限的な3つの措置は再検討頂きたい。

選択議定書批准、現在97ケ国。2005年の省庁間の研究会、審議会はどうなったのか。何故、批准しないのか

阻害要因があるのか。誤解があれば、払拭したい。

 

ブルーム委員>  NGOの発展が印象に残る。有効な資料も頂いた。日本では条約のステイタスが深刻な状況。

原告が主張している条約が国内法に活かされず敗訴している。裁判が非常に長い。イコールペイについて、10年以上もかかっている。CEDAWの十分な実施にむけて何をしているか。

 

シモノビッチ委員> 南野代表もジェンダー平等が遅いと認めているが、CEDAW条約は法的拘束力をもっていないようだ。まるで「宣言」としか思っていない。1条の差別とはなにかという定義、これを国内法に取り込まれていない。本格的、全面的に条約に精通すべき。条約の精神を全面的に国内法にとり込む。そのためにも、選択議定書が批准されるべきではないか。

 

【フォローアップ質問】

<パッテン委員> 差別の定義が十分でない。間接差別や意図のない差別などいろいろある。対応されていない。均等法の定義は十分ではない。CEDAWの定義と全然ちがう。法律の中に制裁が必要。日本の法律(均等法)には制裁がない。企業名も公表されていない。名前を公表されて恥をかいたところはあるのか。ないと聞いている。法的援助はあるのか。司法アクセスをもつことが出来るリーガルエイドが必要。

 

<ブルーム委員>  条約の法的地位が国内法でどういう位置にあるのか。憲法で条約を国内法と同じとうたっているが、齟齬がある場合、国内法と条約が一致しない時、裁判官はこの矛盾をどう解決するのか。条約を優先するのか。

 

<シモノビッチ委員> 世論を変えていくのが政府の仕事ではないか。

 

【回答】

<厚労省>       間接差別は、CEDAW勧告をふまえ均等法を改正。幅広い概念、社会的合意が形成されていない。公労使三者の審議会で論議。追加できるようになっている。違法でないが裁判で違法とされることもあると周知している。

 

<外務省>       個人通報制は効果的制度と考えているが、受理した委員会見解と我が国の裁判所の確定判決が異なる場合、司法権の独立を含め、司法制度との問題が発生する可能性を慎重に検討すべきという見解もある。

 

 

CEDAW条約 11条

 

【質問】

<パッテン委員>  コース別の雇用管理区分、均等法の指針は、女性に対する間接差別。雇用管理区分は、男女の差別禁止をそれぞれの雇用管理区分に入れ、他のカテゴリーとの比較ができなくなっている。これについては政府も認識している、ILOからも同様の要請がでている。ILOでよく知られたNGOであるWWNは、低い賃金、昇進の機会がない分野に女性が集中していることを懸念。均等法の5条、6条は男女差別してはいけない。立派なもの。付随の指針・雇用管理区分の削除をどう考えるか。
2004年から2006年、格差が拡大。どうして賃金格差がおこったのか。賃金格差縮小に努力しているか。パートタイムの均等待遇になる数字が少ない。実際の均等待遇の対象者のパーセンテージはどれだけか?
同一価値労働同一賃金(ILO100号条約)を国内法に入れる考えはあるか?
兼松、住友メーカーなど14年間も裁判がかかる。国内法に同一価値労働同一賃金が含まれていれば、もっと解決が早かった。立法的枠組み必要。賃金格差縮小するために、法的枠組みが必要ではないか?
職務をどう評価しているか。民間企業で、非正規、派遣社員は、均等法の保護が受けられない。
女性へのインパクトを調査したか?女性が犠牲にならない方策はとっているか。

 

<ブルーム委員>  非正規、女性はパート、派遣、その数字ははっきりしている。女性の就業パターンに格差がある。向上させるために措置が取られているか?有期がどんどん増えている。政府は有期を減らして状況を均衡化させるため、派遣に関して法的な枠組みがあるのか。

 

【フォローアップ質問】

<パッテン委員> ブルーム委員の質問をフォロー。1700万人の女性労働者のうち非正規労働者が70%をしめているのは、差別の形態。間接差別ではないか。政府は何をしょうとしているのか。
均等法5条と6条で、性において差別を禁止、パーフェクトな法律である。しかし、指針は、法律を希釈している。採用、ひとつの雇用管理区分の中で、男性はキャリアトラックへ。女性はマイナーな事務職。厚生労働省の調査にある、総合職に占め女性の割り合が5.1%というにはどう思うか? 指針・雇用管理区分によって、コース別制度で女性を差別。これは間接差別になる。

 

【回答】

<厚労省>     ①パートタイムを選んだ理由について ・自分のあった仕事 52・7% ・短い時間で 40.9%、このような回答がある。一律に間接差別と解釈するのは難しい。

②雇用管理区分は、日本の雇用管理は長期的雇用を考えている。性差別 同様の条件にある者を比較する必要がある。同一の区分で比較。形式的になるのは問題。募集採用は男女に均等に開かれていなくてはいけない。

③同一価値労働は労基法4条に含まれている。

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