CEDAW

WWNニュースレター  2009年4月6日発行 ②

  *****ショップ・シリングさん受賞***** 

                       越堂静子                                           

元CEDAW委員の ショップ・シリングさんが、ベルリン自由大学にて、下記のように、the Margherita von Brentano Award 2008を受賞されました。

 

<受賞者>2008年

 Dr. Hanna Beate Schopp-Schilling氏は、女性の権利および人権の貫徹と実現のために国内および国際的に活動してきた。また、ベルリン自由大学は、彼女の生涯の活動、とりわけ女性差別撤廃に尽力したことに対して賞を授与して表彰する。(ドイツ語から翻訳・姫岡とし子)
 
 

ショップ・シリングさんは、ドイツ選出のCEDAW委員として、1989年~2008年まで務められ、CEDAWのなかでも屈指の超ベテラン委員。日本の女性たちや住友メーカー原告にとって、男女平等促進のため大きな働きをしてくださいました。ショップ・シリングさんと福岡大学の林弘子先生は、アメリカのコーネル大学教授だった故アリス・H・クックさんを共通の恩師とする古くからの友人同士です。1998年、林弘子先生のご紹介でショップ・シリングさんを日本にお招きし、国際シンポジウム「EUにまなぶ男女平等法」を開催しました。
 2003年の、国連・CEDAW日本政府レポート審議会では、WWNは、住友メーカー原告とともにショップ・シリングさんに、ランチタイムロビー活動を行いました。CEDAW本会議において、ショップ・シリングさんは「コース別人事やパート労働者に圧倒的に、女性が多いのは、間接差別にあたる」「異なった雇用管理のカテゴリーを、均等法の指針が許容しているのは問題。低い賃金、昇進できにくい分野に女性が集中しているのも、先進国では間接差別とされている。雇用管理区分という比較の仕方は、間接差別ではないか」と日本政府に、するどく質問をおこない、その内容がCEDAW勧告に反映されました。

このCEDAW勧告が住友電工裁判へ勝利和解に導いたことは、当ニュースレターの2頁に説明しています。

 

< 原告からのメッセージ >

2003年7月の国連で、ショップ・シリングさんは日本政府を厳しく追及、政府代表が思わず「自分も日本の遅い歩みにフラストレーションを感じる」と応えました。このときのショップ・シリングさんの凛とした声、毅然とした態度は今でも感動とともに目に浮かびます。そしてあのすばらしいCEDAW勧告がだされました。

ショップ・シリングさんは裁判を始める前年の94年1月、ニューヨーク国連へ訴えに行ったとき、CEDAW委員として真摯に聞いて下さいました。それ以来ずっと励まされ続けています。今回の授賞は、長年のご奮闘を称えられるもので本当にすばらしいことです。       西村かつみ(住友電工裁判元原告)

ショップ・シリングさんとは私たちが初めて国連へ行った1994年からの長いお付き合いとなりました。2001年のジュネーブでは、レストランの道路に面したテーブルで食事をしている時に偶然にも前を通りかかった彼女に遭遇したり、ニューヨークの小さい美術館で夫さんとご一緒のところを見かけたり、不思議なご縁があります。

2003年のCEDAW会議のランチタイムで食事をしながら訴え、直後の会議で鋭い質問をして下さった時は小柄なショップ・シリングさんがとても大きく見えました。   石田絹子(住友化学裁判元原告)


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