シンポジウム

2006年11月26日/WWNの総会(WWN2.0ネクスト・ステージ)記念講演

「同一価値労働同一賃金」 森ます美教授(昭和女子大学)


森ます美先生は、1992年以来、女性問題研究会やJPESで国際シンポや海外リサーチなどを通じて、日本で始めてペイ・エクイテイ(同一価値労働同一賃金)の職務分析法を確立し、賃金格差是正裁判の原告である京ガスや兼松の「職務評価」を行い、京ガスでは勝利和解するなどの実績をあげてこられました。さらに、非正規社員が急増する昨今、この同一価値労働同一賃金を、正規社員と非正規社員の賃金格差是正に、有効に生かすべく、今般、「日本における同一価値労働同一賃金原則の実施システムの構築ー男女平等賃金にむけて」というテーマで、2006年度科学研究費補助金による研究会をスタート。2006年から2008年までの3年間で、社会政策研究者の森ます美教授と労働法研究者の浅倉むつ子教授との合同研究として取り組みが開始しました。
非常に、時期を得た、そして結果が期待される、胸おどる研究が始まりました。
 今日のお話では、年功序列賃金の崩壊、成果主義賃金の台頭のもと、企業にも労働組合にも、仕事基準賃金制度への転換や、職種別賃金制度の導入が、数社にみられ、これらは、この10年来の大きな変化であること。しかし、ある企業は、「同一価値(役割)労働同一賃金原則を徹底」としているが、ここでいう「価値」とは、組織に対する貢献度であると規定し、本物とは意味が大きく違う。これらの多くは、一般社員とって仕事を低く評価される結果となり、賃金水準の低下に帰結する可能性が高い。公平・公正な評価ののためには、同一価値労働同一賃金の4大ファクターによる職務評価が重要と、森先生は強調されます。
森先生の講演のあと、均等待遇アクション21京都の遠藤礼子さんから、学校事務の正規、非正規社員の職務評価の実践レポートが発表されとても興味深いものがありました。
ここでは、森ます美先生のお話を全部リピートすることは不可能なので、下記に先生が、山川菊枝賞を受賞されたBookをご紹介しますので、ご興味のある方はお取り寄せください。「日本の性差別賃金_同一価値労働同一賃金原則の可能性」出版社:有斐閣

写真、一番下左は、東京・朝日熱学を相手に男女賃金差別裁判原告の中野布佐子さん、右は名古屋の看護士育休裁判原告の水野晴美さん。皆さんのご支援を!

 

 

 

 

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